仏教用語解説

◆お線香と焼香の使い分け【お香の意味】  〔本願寺出版社「仏事のイロハ」より〕

        
    お香は体臭などの悪臭を除き、心身ともに落ちつかせてくれるところから、
   これを仏前にお供えすることが早くから行われてきました。芳しい薫りで清々
   しくなり、心からお敬いする如来さまに接してきたのです。
    また、そうしたお香をかぐことによって清らかなお浄土を想い、さらには、
   誰かれと差別することなくゆきわたるお香の薫りから、如来さまのわけへだて
   なく注いで下さるお慈悲の心にも触れさせていただきましょう。
    ところで、そのお香の種類は、一般家庭では線香と焼香用のお香ぐらいでは
   ないかと思います。いずれも香炉にくべるのは言うまでもありませんが、香炉
   にも種類があり、使い分けられています。
    まず、日常的に使われる線香の方は、土香炉と呼ばれる口の広い陶磁器製の
   香炉で燃やします。この際、線香は立てずに、短く数本に折って横に寝かせま
   す。
    次に、法事などの改まった時に行う焼香は、蓋のついた金属製の金香炉を用
   います。つまり、火だねを入れて使用するのが金香炉なのです。時々、金香炉
   で線香を燃やす方がいますが、金香炉では口が狭く、形の上からも線香を寝か
   せるには適していません。どうぞ土香炉を用いて下さい。
    ただ、いわゆる“回し焼香”など大勢の方が焼香する場合、お仏壇の金香炉
   では小さすぎることがあります。そんな時は土香炉を代用されてもよいでしょ
   う。なお、回し焼香される場合、お盆を用意し、その左側に香炉を、また右側
   には刻んだお香を入れた香盒(こうごう)といわれる容器を置きます。
    焼香に使うお香には沈香、十種香、五種香などがあります。なるべく薫りの
   よいお香をお使い下さい。
    香炉の配置については先にも少し触れましたが、三具足としてローソク立て、
   花瓶とともに、金、土両香炉を前後に並べておくのが正式ですが、どうしても
   両香炉を並べて置くスペースがない場合は、焼香する場合のみ金香炉を前卓に
   置き、それ以外は土香炉を置いておきます。
    また、焼香の際、金香炉のフタは、スペースがあれば金香炉の左側に、香盒
   (こうごう)のフタは右側の縁に掛けます。