仏事いろいろ

◆故人の遺志を受け聞法に励む――永代経とは  〔本願寺出版社「仏事のイロハ」より)

        
    お寺にお参りされている方であれば「永代経」という言葉は、よく知ってお
   られるでしょうが、最近では「“永代経”って、どんなお経ですか」と、お経
   の一つだと思っている方もいるようです。
    永代経とは、“永代読経(えいたいどっきょう)”の略で「末長く(永代に)
   お経が読まれる」という意味です。そこからまた「お寺が存続し、み教えが繁
   盛し続けるように」という願いが込められた意味にもなります。つまり@お寺
   が護持されることAそこで子や孫が代々にわたってみ教えを聞き慶ぶこと― 
   この二つが「永代経」の心だと言ってよいでしょう。
    そうした願いと志を持って、ある程度まとまったお金や、仏具などをお寺に
   納めるのが「永代経懇志」であり、その報恩の行為を受けて、お寺が開く法要
   が「永代経法要」であるわけです。
    したがって、「永代経を上げる」という場合の“永代経”は「永代経懇志」
   のことですし、「永代経が勤まる」といえば「永代経法要」をさしています。
    この法要は、「報恩講法要」に次いで盛大に勤めるお寺が多く、概ね年一、
   二回、春や秋に行われます。
    また懇志については、故人への追慕から納められる場合がほとんどで、表書
   きには「永代経志」などの文字の右肩に、故人の法名を記したりします。
    これは“故人のために納める”というのではなく、故人の「永代にみ教えが
   伝わるように」との遺志を受けた施主が“故人になり代わって納める”からで
   す。くれぐれも“故人への追善供養”と誤解しないで下さい。
    さらに、いったん納めてしまえば“責任が果たせた”と考えるのも困ります。
   ある方など「永代経を納めましたので、お参りに行かなくてもちゃんとお経を
   上げて下さるので安心です」と話していましたが、これでは永代経も台なしで
   す。み教えを私に伝えて下さったご先祖の遺徳を偲び、何より私自身が聞法に
   励んで、慶びを子孫に伝えていく―これでこそ永代経といえるのです。